2月は「ひかりの春」。冷気を通り抜ける柔らかな明るい日差しが、間近な
春を知らせてくれる季節です。本物の春にも勝るこのウキウキ感が大好きな私
です。それがなぜか今年は、嬉しさとは別の漠然とした陰りが消えないのは
なぜでしょうか。今話題のコロナ菌のニュースが原因でしょうか。
新聞の紙面やテレビをにぎわしているこのニュースを見るたび、思い浮か
ぶのは、有名な「ロミオとジュリエット」のお話の中のあるエピソードです。
ジュリエットが恋しいロミオへの手紙を、ある僧侶に託します。その僧侶は、
途中の街で足止めをされ、肝心の手紙を届けるのが遅れてしまいます。そのた
めに、ロミオは仮死状態のジュリエットを見て絶望し、自らの命を絶ってしま
います。その後で息を吹き返したジュリエットは、ロミオの本当の死を知り、
ご存じの通り後を追い、悲劇は幕を下ろします。
僧侶が足止めされた原因というのは、当時死の病と恐れられたペスト(黒死病)
で、コロナ菌のため閉鎖された武漢の街を思わせますね。
今まで、毎年毎年、桜の時期には桜が咲くものと、なんの迷いもなく「今年の
桜を見ようね」と言っていたことが、実はとってもあたりまえではないことに
今更ながら、気づかされる最近の出来事でした。