今年も残すところあと十日。何という一年だったのでしょう。
今年初旬からのコロナに振り回される日々は、年齢や立場を超えて
皮肉にも人類平等の経験になっていますね。
今、医療関係者の方たちの現場での苦難が話題になっています。
通常の治療を要する患者に加え、コロナ感染者への治療・看護に日本中の医療専門職の
人たちが身を挺して、まさに闘ってくれています。
医療の仕事への強い使命感が無くては、できることでありません。
でもあまりの現場の過酷さに、体は勿論、心まで病んでしまった人が多数いると
聞きました。医師や看護師の方たちの現場からの悲痛な声に、私たちのできることは
とにかく感染しないこと、感染させないこと、に尽きると思います。
もし医療崩壊が現実になれば、病気や怪我への安全・安心の保証はなくなります。
子育ても、介護も、すべての人の日常生活がどれほど困難なものになるのか、はかり知れません。
どうか貴重な医療人材が、一人でもコロナのために傷ついたり、失われたりしませんように。
医療現場とは異なりますが、私たちのいる介護の現場も又、ウイルスとの戦いの場です。
最前線ではありませんが、いつ飛んでくるかわからない砲弾のようなウイルスに神経を
すり減らしながら、大切な託されたものを守っています。365日、24時間、その心配が
途切れることはありません。家族との接触を絶たざるを得ない10か月間、介護職員たちの肩に
かかるケアの比重は、その分ぐんと増えました。
今は外出もままならず、屋内での活動に様々な変化をつけて、気分転換を図っていますが、
先の見えない混乱の長期化の中で、現場スタッフの疲弊も目立ちます。
コロナという理不尽な生物は、常識と信じてきたものをことごとく打ち壊してくれました。
感染の恐怖が家族の絆を損ねたり、ともすればコロナに感染した人が、同情されるどころか、
差別や嫌がらせの対象になったりなど、まるで魔女狩りの横行した中世の話のようです。
寝付けないある日、若いころよく読んだ八木重吉の詩を思い出しました。そして、ちょっと
気持ちが楽になりました。
ーねがいー
人と人との間を
美しくみよう
わたしと人とのあいだをうつくしくみよう
疲れてはならない (八木重吉)